M&A

総論

1. 約7割の企業が事業承継を経営上の問題として認識している

2. その背景

  • 99.7%は中小企業 そこには85%の小規模事業者が含まれている

  • 3社に1社は経営者70歳以上で後継者は未定である

  • 廃業件数が増加する中、6割が黒字にも関わらず廃業

  • 廃業理由の3割が後継者難

  • 2025年までに、70歳を超える中小企業小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち 
    約半数の127万(日本企業全体の1/三)が後継者未定が後継者未定

  • 現状を放置すると、中小企業小規模事業者廃業の急増により、2025年までに累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性

  • 現在中小企業のM&Aは年間4000件弱にとどまり、潜在的な後継者不在の中小企業の数(127万社)から見ても不十分

3. 3つの課題

  • 売り案件が圧倒的に少数

  • マッチングしても適切な相手が見つからない 成立が困難

  • 承継後の経営統合は困難

4. 国は黒字廃業を回避するための第三者承継支援総合パッケージを10年間で集中実施する 
10年間で60万社の第三者承継の実現を目指す

  • 10年間で60万社の第三者承継の実現を目指す

国の対応

1. 経営者の売却を促すためのルール整備や官民連携の取り組み

  • 事業引き継ぎガイドラインの改訂

  • 適正は仲介業者手数料水準を見極めるための指針整備

2. マッチング時のボトルネック除去や登録に業者数の抜本増加

  • 事業引き継ぎ支援データベースを民間事業者にも開放し、スマホのアプリを活用したマッチングなど、簡便な仕組みの提供

3. マッチング時のボトルネック除去や登録に業者数の抜本増加

  • 新社長就任に向けた後継者の教育支援や、事業の選択と集中を促す補助金の創設をはじめ、予算・税・金融支援を充実

    ※令和4年度第2次補正(令和4年12月時点)事業承継引き継ぎ補助金

  1. 経営革新事業(補助上限600〜800万円 補助率1/2〜2/3)
    事業承継、M&A後の経営革新(設備、投資、販路、開拓等)に係る費用を補助

  2. 専門家活用事業(補助上限600万円 補助率1/2〜2/3)
    M&A時の専門家、活用にかかる費用(フィナンシャルアドバイザーや仲介にかかる費用、デューデリジェンス表明保証保険料等を補助

  3. 廃業再チャレンジ事業 (補助上限150万円 補助率2/3)
    事業承継、M&Aに伴う廃業等に係る費用(現状回復、在庫処分等)を補助

M&Aの効果

1. 譲受側は
同業平均値と比較した事業所受け実施企業の当期純利益成長立は約20%高いM&A実施企業は労働生産性は高い

2. 譲渡側は
M&A実施後の譲渡側従業員の雇用継続状況は全員を引き受けているのが約8割強

M&Aのスキーム

1. 企業の規模とスキーム選択

  1. 小規模企業 売上1億〜2億
    事業譲渡スキーム5割
    株式譲渡スキーム5割

  2. 中規模企業 売上4億〜20億
    株式譲渡スキーム8割以上

2. 事業譲渡

  1. 概要
    ・売り手の事業に着目して、事業だけを引き受けるスキーム
    ・売り手の会社自体は売り手株主のもとに残る

  2. ポイント
    ・売り手は法人である会社自体
    ・個別に動産・不動産など譲渡対象を特定する必要がある
    ・簿外債務は基本的にはおいていける。但し、免責の登記に注意
    ・長期間の競業避止義務(20年)

  3. 必要となる手続き
    ・事業譲渡契約の締結(法人同士の契約)
    +株主総会の特別決議(3分の2以上の多数)
    +株主名簿の名義書換え
    +株券の交付(株券発行会社の場合)

4. スキーム選択のポイント

事業譲渡 株式譲渡
株主が誰か不明 ○(株主総会の特別決議が必要な場合) ×(株主の特定が必要)
取引契約が膨大 煩雑(契約の巻き直しが必要) ○(そのまま、引き継がれる)
社員の引継 ×(一旦退職扱い) ○(そのまま、引き継がれる)
売買代金の受け手 対価は事業譲渡会社の収入となる 対価は旧株主の収入(原則2割課税)
個人保証の引継 物上保証可能性、人的保証は引継がない 人的保証を巻き直す必要
簿外負債の扱い 原則引き継がない 引き継ぐ可能性がありDD重要
買収対価 資産(現金)は必ずしも引き継がない 資産(現金)を引き継ぐことになる

M&Aの流れ

中川_表2

報酬体系(M&A料金表(2023年1月1日改訂)

費用の種類 内容 報酬額
相談料 正式に契約をする前の相談時にお支払い願います 無料
着手金 アドバイザリー契約を締結時にお支払い願います。成約に至らなくともご返金はできません 100,000円
中間報酬
(中間時金)
基本合意書が締結された時点でお支払い願います。成約に至らなくともご返金はできません。原則一時金といたします。ただし、契約期間が長期に及ぶ場合は月額報酬とし、最終契約に至った場合は成功報酬の内数として清算させていただきます。 100,000円
原則:一時金
例外:契約期間が長期に及ぶ場合は月額報酬とし、最終契約に至った場合は成功報酬に充当いたします
成功報酬 M&Aの最終契約の締結後にお支払い願います レーマン方式で算定 最低報酬100万円

レーマン方式の考え方

報酬基準額 料率
成約価額 5億円以下 に該当する部分 5%
成約価額 5億円超 10億円以下 に該当する部分 4%
成約価額 10億円超 50億円以下 に該当する部分 3%
成約価額 50億円超 100億円以下 に該当する部分 2%
成約価額 100億円超 に該当する部分 1%

※成約価額には、株式や事業の譲渡価額に含まれていない、役員退職慰労金、役員貸付金、売り手所有不動産の譲渡額、配当金額、自己株式の取得額、保証金又は敷金などを含みます。多くの場合、会社を譲渡する際に株式譲渡の代金とは別に役員貸付金はオーナー経営者に返済されます。また、会社が金融機関などから借りていた負債からも解放されます。その分企業価値が上がるという考え方に基づいたものです。

計算例)報酬基準額が8億円の場合
① 5億円以下 に該当する部分⋯⋯5億円×5%=2,500万円
② 5億円超10億円以下 に該当する部分⋯⋯(8億円-5億円)×4%=1,200万円
レーマン方式による成功報酬(①+②)⋯⋯2,500万円+1,200万円=3,700万円

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