最新の速報値は、9月の日本民間企業全体の事業活動がさらに拡大したことを示唆したが、その拡大ペースは過去4か月間で最も緩やかだった。セクターにより傾向が分かれ、サービス業の事業活動がより力強く拡大したのとは対照的に、製造業の生産高はより急激に減少した。
複合生産高指数速報値(季節調整済み)は、6か月ぶりの高水準だった8月の52.0から9月は51.1に低下した。拡大と縮小の境目を示す重要な50.0の値は依然として上回っているものの、最新の値は拡大が5月以来最も緩やかなペースにとどまったことを示した。
セクター別
サービス業:サービス業の生産高はさらに堅調に増加し、全体の事業活動の伸びを牽引した。その増加ペースは8月からわずかに鈍化するにとどまった。
製造業:製造業の生産高減少はさらに加速しており、企業は、販売低迷や慎重な在庫方針の報告を受け、3月以来最も速いペースで生産量を引き下げた。
新規受注:第3四半期末にかけて伸び率がより緩やかになった。総新規受注は全体としてわずかに増加したが、製造業の新規受注は急激な減少を記録していることから、これもサービス業のさらなる堅調な増加が要因である。
新規輸出:新規輸出事業は6か月連続で減少し、製造業、サービス業ともに海外需要の減少した。
雇用:9月の民間企業全体の雇用は、わずかな増加にとどまった。その増加ペースは雇用増が続く過去2年間で最も低調だった。サービス業の雇用者数が小幅に増加し、減少に転じた製造業の雇用を相殺した。
受注残:増加ペースが鈍化した。企業らは、9月の平均購買価格がさらに急激に上昇したことを示唆した。
まとめ
インフレ率は8月から緩和し、2025年初来平均を下回った。基礎データは、コスト圧力は依然として製造業よりもサービス業でより強いことを示している。 人件費、原材料費、燃料費の上昇が指摘されている。9月に平均販売価格を再び引き上げ、費用増加分の一部を転嫁しようとした。製造業とサービス業ともに販売価格を引き上げ、販売価格のインフレ率は8月からわずかに加速した。
今後1年間で事業活動が現在より拡大するとの楽観的見通し。 全体的な景況感は引き続きこれまでの平均値を下回り、新型コロナウィルスパンデミック以来の最低水準に近いレベル。サービス業の景況感はやや強まったが、製造業の景況感は弱まった。