財務省が2025年9月1日に発表した「4~6月期法人企業統計」に関する主な結果は以下の通りです。
経常利益の動向
全産業の経常利益: 金融業・保険業を除く全産業の経常利益は、前年同期比で0.2%増の35兆8338億円となり、過去最高を更新しました。これにより、3四半期連続でのプラス成長が続いています。
製造業の経常利益: 一方、製造業は前年同期比で11.5%減少し、2期連続のマイナスとなりました。この減少は、米国の高関税政策の影響が大きいとされています。特に、輸送用機械は29.7%の減少を記録しました。
非製造業の経常利益: 非製造業は6.6%増加し、特にサービス業が17.2%の大幅なプラスを示しました。これは、娯楽や宿泊業での客数増加や、運輸業のインバウンド需要の増加によるものです。
設備投資の動向
全産業の設備投資: 設備投資は前年同期比で7.6%増の12兆8214億円となり、4~6月期としては過去最高を記録しました。製造業の設備投資は16.4%増加し、特に電動車の生産体制強化に向けた投資が目立ちました。
製造業と非製造業の設備投資: 製造業は+16.4%の増加を見せた、非製造業は+3.0%増加となり、輸送用機械の投資は+43.4%
まとめ
今回の法人企業統計は、全体としては経常利益が過去最高を更新したものの、製造業の厳しい状況が浮き彫りになりました。特に米国の関税政策が製造業に与える影響が顕著であり、今後の経済動向に注目が集まります。また、設備投資は堅調に推移しており、企業の中長期的な成長戦略が反映されています。